このレビューはネタバレを含みます
前情報聞いて「父親がどんな悩みを抱えていたのかホームビデオから証拠を集めて解明する」みたいなミステリー要素の強い内容だと思ってた。二人が別れてビデオが終了した後に種明かし編としてビデオをもう一周するんだと思ってたら終わったから「えっ!?」って声出た。
父親の希死念慮（？）の正体も現在の父親の生死もぼやかしたまま終わるんだ。
でも、たしかにそれらに分かりやすいエピソードをつけてしまったら、「（恐らく）自殺してしまった父親の心を探るために昔のホームビデオをみかえす」っていうエモいプロットの性質上、お涙頂戴の安っぽいドラマになってしまってたのかも。
そう考えると、この大部分の余白を残して「もしかしたらこれが最後だったのかもしれない」「もしかしたらこの瞬間に父親の心は壊れたのかもしれない」って、観てる側の脳内でドラマをつくらせるやり方は大正解なのかもと思った。
いつも肝心なときに父親の顔がみえないような撮り方をされていて、こんなに近くにいるはずなのに、こんなに触れ合っているのに、本当の意味で父親に触れることはできない。
そのやるせなさ、後悔が音楽や映像からビシビシ感じられるのに、それでも父親と過ごした数日の思い出は息を呑むぐらいに美しくて、あーなんて皮肉なんだ〜。。
