2023/05/30 鑑賞
日記に書いてたのにまた記録し忘れてたシリーズ。何故かバラバラにあちこちに書き残していて我ながら不思議だけど、それらを編集・追記しながら残しておく。
帰省から戻るバスに乗るまで時間が空いていて、せっかくだからと思って見た。31歳になる若い父親と、11歳の娘のバカンスの日々を綴った作品。
実家に戻った直後だったので、鑑賞後の情緒がだいぶおかしなことになって大変だった。
僕の両親はきっとそんなこと思ってないとおもうけど、僕にとって家族みたいなものは複雑で、僕は未だに過去の記憶から逃れられない瞬間がある。どんなに現在が平和で、良い日々を送れていたとしても、最悪な出来事が鮮明に、際立って思い出されてしまう。僕は時々、目の前の世界がフィルムの中みたいに見える。
恥ずかしいけれど、『アフターサン』には僕の求めているものが詰まっていたし、平和で幸せな情景が夏の陽射しみたいに眩し過ぎて、心がメチャクチャになった。主人公の心が痛いのは、確かに幸せな時間を噛み締めたからで、それを観た僕の心が痛いのは、僕が確かに幸せを知ったからなんだと分かって、本当に観れて良かったと思えた。『パターソン』の時みたいに、一生僕の心と一緒に居てくれる作品に出会えたと思えた。
とても良すぎて帰りのバスで何度も映画のシーンを思い出しては、心が抉れて、涙が止まらなくなってしまった。パンフレットも買って、バスに乗るまえに寄ったスタバで目を通しながら、涙が滲んだ。とても素敵な設計で、知らない家族の写真を持っているのは不思議な感じだけれど、僕も彼らの一部になれたみたいで嬉しくなった。
