このレビューはネタバレを含みます
自分にもソフィと同い年くらいの娘がいる。
この年代特有の娘と父親のなんとも言えない距離感、すれ違いはめちゃくちゃ共感。
お互いに寄り添うようで、目の前にいると素直には寄り添えない。
その時、その空間でしか味わえない時間の粒は、いずれぼんやりとした記憶の隅に追いやられ、ふとした時に思い出としてフラッシュバックする。
その記憶は大抵フィルターがかってて、
掴み取ることはできない幻影だ。
カメラはその幻影を、克明に映し出してくれる。ある意味で残酷で容赦ない真実までも。
この幻影と真実を、
個人の回想録を通して振り子のように往来し続けて、物語は幕を閉じる。
まるで人生そのもの。
自分も今、この時間の中で、
目の前にいる他者と何が共有できるのかと、
ぼんやりと考え込んでしまった。