寝具とSing

aftersun/アフターサンの寝具とSingのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.1
なんと言うか、菊次郎の夏をオシャレにしたみたいなノスタルジーとも似て非なるような美しい絶望を感じる作品だった。


父と娘が陰と陽のような対極的な視点の描き方がされているように感じるが父と娘両方の気持ち、思いが単純なセリフではなく自然な演技、仕草、演出で読み取れるのが非常にハイセンスというか感度の高いA24ならではのリアルな質感を持ったものだった。
だからこそ、心にダイレクトに刺しにくるのがとてもひと夏の儚い陶酔感も覚えつつも父の立場になっての絶望も大きものに感じた。
成熟した男女関係なく持っている、母性のような思いやりの心を持っているということを改めて自覚させてくれる素晴らしい作品。