難解な所が多いのだが、なぜか心に沁みる良さを持っている作品。
父娘を演じた二人の演技の良さも見どころの一つと言えるだろう。
この難解さを気に入っている人には悪いが、簡単な話、自殺した父親と同じ年齢になった娘が、昔のビデオを見ながら当時の父親の気持ちを理解しようとしている、という内容。
そして父親の一人称のシーンはすべて娘の想像という所が難解さを増している。
特筆すべきは父親の描き方。
多分この娘との旅行の後に自殺をしたと思われるが、普通なら追い詰められたギリギリ感を強調したくなるところを、ぐっと抑え、娘に悟られないようにしている父親の描き方が、逆にギリギリ感を見事に描き切っている。
ボーっと見ていると、その絶望が見える一瞬を見逃してしまい、ただの意味不明な内容に見えてしまうのも、上手い描き方だ。
神経を研ぎしまして集中して観るとその良さが分かる作品。
また、今作がデビューとなる娘役のフランキーの初々しさや、可愛さも見どころの一つだろう。
余談。
手をつかまれた時の逃げ方。てっきり伏線かと思ったら、まったく関係なかったぞ。笑