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aftersun/アフターサンのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.5
20年前に父と2人きりで過ごした夏休みの思い出を、現在の娘の視点から綴るヒューマンドラマ。
スコットランド出身のシャーロット・ウェルズの監督・脚本による注目のデビュー作。
原題:Aftersun (2022、101分)

11歳の少女が夏休みに父親と2人きりでトルコの鄙びたリゾート地で過ごしたそのひととき。まぶしい太陽の下やホテルでのかけがえのない大切な思い出。
20年後、大人になった彼女がかつて撮影したビデオ映像には、父の寂しげな姿も写し出されていた…。

~登場人物~
・父親のカラム(ポール・メスカル)
・娘ソフィ(フランキー・コリオ)
・現在のソフィ(セリア・ロールソン・ホール)

「11歳の時、将来は何をしてると思ってた?」

「生きたい場所で生きろ。なりたい人間になれ。時間はある。だいじょうぶ」

妻と別れ娘と離れて暮らしている父親。きちっとした仕事に就いていないのか娘に習い事をさせるお金もない。
明確に述べていないが、この父親は娘と過ごした後に自ら命を絶ったと考えられる。
当時は気づかなかった父親の孤独に、30歳を超えて気づく。その悔恨。
父への愛とせつない思いを、ビデオ映像と音楽を通して新鮮な(瑞々しい)タッチで描いている。
最初つまらないと思ったひとも見返してみると気づくことがあり、評点が上がるはずだ。
心情を写し出す音楽は
・R.E.M.の Losing My Religion/ ルージング・マイ・レリジョン(ソフィのヘタなカラオケの歌)
・ブロンディのThe Tide Is High/ 夢みるNo.1
・クイーンとデヴィッド・ボウイ共作によるUnder Pressure/アンダー・プレッシャー(親子のダンス)
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