てる

劇場版 舞台『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむのてるのレビュー・感想・評価

3.8
今回は時間溯行はせず、武将とは会わないし、アクションも控えめ。ほのぼの回だと思っていたので、全く期待していなかった。刀剣男子が多めに出演する単なるファンサービス回なのではないかと不安だった。
だが、その不安も杞憂だった。
さすが、末満健一。
面白かった。
今回の主役はやはり山姥切国広。三日月宗近なき今、刀剣男子のリーダーを務めるまんばちゃんの前に、ついに本歌の山姥切長義が現れる。引っ越したばかりの本丸の中で揉める一同たち。
天下五剣の三日月宗近の次のリーダーが写しである山姥切国広って設定が良すぎる。
写しとはいえ山姥切国広は重要文化財として指定されている。本歌と写しの両方が文化財に指定されているのは山姥切だけだそうで、大変貴重な刀らしい。
そんな貴重な刀だが、写しだという劣等感を抱えている。いやまぁそれは贅沢だというもんだなんて思うが、そんなことはない。まんばちゃんは当初からそんな悩みを抱えており、その根源たる本歌と出会う。
リーダーとしての責任と写しである劣等感に悩むまんばちゃん。それをはね除けたのは、長年戦い続けて培ったその実力だ。
このシリーズを始めから観ているわけじゃないので、ある程度は想像するしかないが、でも、想像するに余りある。前作での最後のシーンの三日月とまんばちゃんの戦いの中で、三日月が言った「強くなったな」というセリフが蘇り、色んな意味で泣けた。そうなのよぉ。強くなったのよぉ。

他の刀剣男子も良かった。半分くらい知らないメンバーだったが、各々個性がしっかりあるし、どのメンバーも丁寧に説明がある。初めて観る観客にも優しいし、その心配りが行き届いているのを感じた。
どの刀剣も魅力的で、どの刀が良かったなど、仲間内で話すのはさぞ楽しかろう。ファンになる気持ちがよくわかる。
しかし、男の客少なかったなぁ。男も楽しめる作品なのになぁ。こんだけ女子だらけだと、男の肩身が狭く、離れていってしまうのもわかる。
だが、劇場版は次で最後だ。ひよらず、最後まで観に行くぞ!
てる

てる