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葬送のカーネーションのparaのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
4.0
予備知識なしでの鑑賞
ラストが美しくも切ない。そして音楽がとても良い。
おじいさんは大願成就を果たす。それが夢想の世界であってもどれだけ妻を想っていたか。(死者よりも生きている孫娘を大切にしてくれと思うもののこれは寓話であり、それを求めるのは野暮というものだろう。)

祖父と孫娘の間の会話のなさに初めは驚くのだが、次第に孫娘はトルコ語が話せるが祖父はトルコ語を話せないことがわかってくる。

さらに劇中では説明がないのだが、祖父が目指す国境に近づくにつれ向こう側から着の身着のまま歩いてくる人々が沢山いて、トルコに逃れてくる難民→シリア難民と気がつく。。(初めの頃はトルコ=クルドで観てしまっていた)

人々の会話(死は別れではなく来世の入口)やラジオから聴こえる話
(星の光が届くのに5000年掛かるのに、500年も読み継がれない文章書いてどうするとか)からも少しずつ映画で語りたいことが伝わってくる。

ムスリムの互助精神

祖国に帰りたくても帰ることが出来ない人々がこの世界に大勢いることに想いを馳せ、
言葉としては語られないが非常に多弁な作品。

とにかくラストが胸を打つ。
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