Wata

突然にのWataのレビュー・感想・評価

突然に(2022年製作の映画)
3.9
"突然に、全てを投げ出して変わりたいと思う時がある。"
"それは本能的なもので、抗うことはできない。"

ある日嗅覚を失ったレイハンは、ひとり故郷のイスタンブールに立ち帰る。



TIFF2022にて!🎥
監督さん・脚本さんのQ&Aも聞けて楽しかったです。

嗅覚を失いながらも、視覚、聴覚、触覚、味覚から、イスタンブールの異国の空気の匂いが感じられる不思議な作品。

特に、ものを擦る音、何かとぶつかる音を触覚として表現しているのがすごい。

今まで映画を観る中で意識したことのなかった、触覚・嗅覚までも研ぎ澄まされる不思議な時間でした。


監督曰く、
視覚ではないものに自分はあるのではないか? 触覚・嗅覚・聴覚のどこに自分があるのだろう?
という疑問を出発点にこの作品を作ったそう。

自分と一番親和性の高い感覚どこだろうと考えると、触覚かな?と思う。
頭で考えずに一番直接体に入ってくるように感じます。


ラストの洗濯シーツの森の場面は、幻想的で温かく、でもドライで怖くもあり、すごく魅力的な空間でした。

さあ、ここから離れてどこへ向かおうか。
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