ぶみ

奇蹟の人/ホセ・アリゴーのぶみのレビュー・感想・評価

奇蹟の人/ホセ・アリゴー(2022年製作の映画)
3.0
三本はしごの二本目はこちら。

それは本当に起こった。

グスタヴォ・フェルナンデス監督、ダントン・メロ主演による実話をベースとしたブラジル製作の伝記ドラマ。
1955年から1971年にかけて、ブラジルで200万人の人々に心霊手術を施したホセ・アリゴーの半生を描く。
物語は、雑貨店を営むアリゴーが、ドイツ人医師アドルフ・フリッツの夢を見た以降、取り憑かれたように施術する姿が描かれるが、その様子は、麻酔を使わずに、素手で直接患部を取り除いたり、ナイフや包丁で切除したりというものであり、その様子が結構な再現度で映像化されているため、痛いのが苦手な人は要注意。
その後、予告編にもあるように、ブラジル医師会から偽医者として告発され、実刑判決を受けることとなるのだが、一方で実際に治癒している人もいることから、社会を二分するような論争が巻き起こるのも理解できるもの。
何より不思議なのは、消毒も麻酔もしない施術でありながら、痛みも出血もないということで、エンドロール中に実際の映像が流れるのだが、それはもう驚愕の一言。
結局、彼が行う心霊手術がトリックなのか、はたまた本物なのかの真偽はわからないが、英題でもある『A Dangerous Practice』さながらの内容は配給であるエクストリームらしいものである反面、ハリウッド大手のパラマウント・ピクチャーズが共同製作に入っていることから、伝記映画としてのクオリティは悪くなく、まさかポストカードが貰えるとは思っていなかった一作。

私を止めるには、逮捕するしかない。
ぶみ

ぶみ