味噌のカツオ

奇蹟の人/ホセ・アリゴーの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

奇蹟の人/ホセ・アリゴー(2022年製作の映画)
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大昔にテレビの「すばらしき世界」か「知られざる世界」で見た心霊手術。
何やら患者の下腹部をギューっと指で押さえるとそこに血だまりができて。その中から臓器が出てきて、血を拭うと全く傷跡もないという。

当時も、これはインチキだという話があったり、手品師が同じようなことをやってみせたりしたこともあったような。
ただ、子供だったわたくしの記憶には鮮烈に印象が焼き付いたものでありました。

そして今作なのですが。
何の気なしに あらすじを見ると、まさに“心霊手術”という文言があり、思わずビビビッ!ときまして。
これ自体は劇映画なのですが、なんとエンディングにはモデルとなった実際の心霊手術の記録映像が…とあって、ますますビビビッ!!

本来ならこんなB級作品は敬遠してしまうトコロですが。
「こうした映画をわたくしが見ずして誰が見るか」という使命感(?)と、ミニシアターを助ける思いから見てまいりました。

映画の冒頭、鼻ヒゲのおっさんが女性の股に手を突っ込む…といった場面があって。単純に「大丈夫かよ!?」と思わされましたが、本編ではそうしたそうしたことはなく。
あくまで性暴力を想起させるような、ショッキングな“つかみ”だったというわけで。

物語自体は実話ベースとのこと。
雑貨店を営んでいたホセ・アリゴーが、夢の中に現れたドイツ人医師アドルフ・フリッツのお告げによって、人々の病気治療を始めるというもの。

実際に彼の施しが医療として成立したのかどうかはわかりませんし、冷静に医学的にそんなことは…なのですが。
今は昔でありますし、だからこそ奇蹟の人であったということでね。

あらためて、映画の作りとしては まぁ普通でしたかね。
ただ、ここで行われる“心霊手術”というものが、わたくしが幼少時に見たそれとは別のものであったと。そういう意味では、思ってたのと違ったと言わざるを得ないのですが。

こんなテーマの作品を見るという わたくしの使命感と、ミニシアターの売り上げに貢献するという事実。
それはホセが使命感をもって人々を救ったという行為と合致するモノだと思いますので。

これはこれで納得なのでございます。
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