ふじたけ

独裁者たちのときのふじたけのレビュー・感想・評価

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)
4.5
ソクーロフ舞台挨拶付き。スターリン、ヒトラー、ムッソリーニ、チャーチル、偉大な英雄である彼らは同一画面で増殖しながら、魑魅魍魎とした霧深い黄泉の世界を歩き回る。今残っている資料から、実在した人物を再構成しているわけだが、彼らを評価せず同列に扱い、そのままの姿で物語を提示しているぼで、監督の次元に収まらない、謎に満ちたおぞましい芸術作品となっている。
彼らを崇拝し、彼らに殺された幾万もの魂が、歓声と怒号で迎えあげる光景は地獄は圧巻。この地獄そっくりな光景が、帰り道の渋谷スクランブル交差点に広がっていた。おそらく人類は何も学んでおらず、また彼ら戦争を求めるのだろう。

ソクーロフのQ&A、1時間には流石に面食らったが、彼の芸術家としての態度が窺い知れ、とても興味深かった。しかし、ヒロヒトのことをあんなに持ち上げていたのは謎である。おそらく本作に登場したら、完全にお笑い枠になってただろう。

にしても、群衆シーンの音は流石に大きすぎる。耳が壊れるかと思った(アネットの時もそう。ユーロスペースはもっと学べ)
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