symax

独裁者たちのときのsymaxのレビュー・感想・評価

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)
3.4
"この映像にディープフェイクやAIは一切使用せず、すべて現実に撮影されたアーカイブ映像から再構築した…"

そこは煉獄の地…スターリン、ヒトラー、ムッソリーニ…そしてチャーチル…

四人の"独裁者"は、天国への入口へと向かいその地を彷徨う…

観たい観たいと思いながら、タイミングが合わず結局見逃してしまっていた本作ですが、"見逃した映画特集・夏休み編"の一本として、アップリンク吉祥寺で再上映…"海の夜明けから真昼まで"鑑賞という思わぬ発見にも繋がった鑑賞となりました。

…が、予想以上の怪作…煉獄の地を四人の独裁者が延々と喋りながら、延々と彷徨う姿を、延々と見せられるという…

アーカイブ映像を再構築した努力と根性は凄まじく、そこに広がる世界はダンテの神曲のよう…

映像の素晴らしさに引き込まれていきますが、ブツブツと念仏のような会話がひっきりなしに続いていくと…段々何を見せられているのであろうか?となってくる…

死してなお変わらぬ独裁者達のそれこそ独善的な思考にくだらないとの思いを抱き、嘲りの対象となっていく様は見事と言えます。

押し寄せてくる大波のように一般大衆の亡霊が迫る様は中々のホラー…結構怖いのですが、それに対して嬉しそうな独裁者達…鬼畜度の高さは流石です。

本作は、配信やレンタルでは完走は無理かもしれません…劇場だからこその集中力で何とか最後まで鑑賞出来ました…正直な感想は…怪作なれど退屈…すんごい作品観てしまいました…
symax

symax