SQUR

ファイブ・デビルズのSQURのレビュー・感想・評価

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)
3.0
魅せる映画であって、眠くなるような映画ではなかったことを先に言っておきたい。
フランス映画は、ゆったりとしたストーリー展開と要領を得ない会話で眠くなるため敷居が高いという偏見があると思うけれど、近年のフランス映画はゆったりとしたストーリー展開ながら、興味を惹かれるものが多い。

以下、映画の内容の話。
"親子の因縁と、母親も1人の人間であることの間の葛藤"を描いた映画で、日本では今年公開になった『秘密の森の、その向こう』との類似性が強い。親子間の葛藤を直接的に描かず、最終的にも大きな環境変化が起きず終わるソフトランディングなところまで類似している(SF的ギミックがあるが、あくまでも親の違った側面と出会うためのものでありそのギミックにおいて超日常的問題が生じない点も同じだ)。

【追記】:良く考えれば『パリ13区』で今作の監督と『秘密の森の、その向こう』の監督は共同脚本をしているので、そこでの交流に似た映画をとるきっかけがあったのかもしれない。パンフレットを読めば何か分かるのだろうか。

しかしそういった「描ききらない」描き方が本作においても望ましかったようには思えない部分もある。その理由を差別をテーマとして扱ってることに求めようかと感想を書きながら悩んだけれど、どうも映画の画としての力が足りてないからのような気がする。
劇中のデュエットや最後の曲など、音楽の使い方は良かった。
SQUR

SQUR