がんばれ集中力

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版のがんばれ集中力のレビュー・感想・評価

3.7
1994年台北
都市に生きる男女10名が交差しながら、それぞれが今与えられた現実を忙しく生きている様が描かれていた。

エドワード・ヤン映画で期待しちゃうのは、背景まで計算された芸術的シルエットだったり、俯きがちな登場人物の"間"だったり、胸の中がざわざわする樹々の荒れ模様だったり、一瞬でびしょ濡れになりそうな猛烈な雨だったり、どれも「うわぁぁ(すげぇ」と静かに興奮する場面で。これは私の単なる我儘だけど今回はとにかく台詞の量が凄まじくて、残念だけど字幕にもっていかれた感が否めなかった。

ただ、軸となるモーリーもチチも(両者スタイル良すぎ)魅力的ですぐに惹きつけられたし、「フリ」して生きがちなチチと「感情のまま」のモーリーの対比が面白かった。
ラストシーン、引き返して"会いたい"これが全てだな〜

濱口竜介監督が「必然的に人間性を失わせるこの社会で、人はどう他者とともに生きていくのか」って言葉を発していて「うわぁぁ(それだ!すげぇ」が押し寄せました。
押忍!
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