登場人物ひとりのこらず愚かしく、ひとりのこらず愛おしい。
緊張と弛緩、刺々しさと笑い、苦みと甘みが絶妙なバランスで拮抗する超絶脚本。俳優たちの蠱惑的な面構えとファッション、そして声(チチかわいい)。光と影を捉える美しい撮影とパーフェクトなロケーション。そして全編バッチバチにキマりまくった、カッコ良すぎるショットのつるべ打ち。
発表から30年あまりが経過してもなおクリティカルであり続ける都市生活者の寓話。観てるあいだ、ひたすらドーパミンが産出されるのを感じた。
眠気を誘う弛緩の瞬間すら愛おしい。大好き。