ふぁぶ

「ウルトラセブン」55周年記念 4K特別上映のふぁぶのレビュー・感想・評価

5.0
生涯ウルトラセブンを愛する者として、劇場で夜明け(本当は夕暮れらしいですが)に立つウルトラセブンを(そして7話での伝説的な外国人女性のカタコト吹替を笑)見逃す手はないと、はるばる大阪まで遠征しました。

55thを記念するにしてはチョイスが不思議な部分もあったのですが、続けて観ることによって選択した意図が分かりました。

テーマを決めてピックアップした話数を続けて観ると、また違った側面が見えるのだと感心してしまいました。

モロボシダンが正義は一つだと凛々しく語る7話、正義と平和の名の下に自分たちの持ちうる知識だけで惑星を消滅させる実験をする26話、そして26話を逆の立場から描いた37話。
おそらく時間が許すなら、42話も入れたかったのではと想像します。

それぞれ数え切れぬほど見返してきた話ですが、集中できる環境でじっくり観ると、新鮮さがありました。
ウルトラホークの発進口内部のジオラマの作り込みや、マゼラン星人マヤとダンのテレパシーのみでのやりとりなど…。

そして、伝説のダンがアンヌに正体を告白するシーン。昔はシルエットになってしまった二人の輪郭しか捉えていませんでしたが、改めてみるとアンヌの瞳の動きにひし美ゆり子さんの素晴らしい演技を見ることができました。

現代から見ると、特撮やストーリーのチープさにツッコミたくなる部分ももちろんあるでしょうが、そんなの気にならないくらいの作り手たちのセンスと魂がこめられています。

ウルトラセブンに対する愛が深まった素晴らしい時間でした。
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