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リオ・ブラボーのodyssのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
4.0
【人物の描き分けとセリフの見事さ】

有名な西部劇ですが、ようやくBS録画にて鑑賞。

保安官を初めとする正義の側と、ネイサンという男に率いられた悪い奴らの対決のお話。

正義の側の面々に工夫が凝らされていて、そこが面白い。保安官のジョン・ウェインは中年男の貫禄を見せていますが、意地っ張りの老人、女に振られ酒に呑まれた過去を持つ青年、少年と青年の中間くらいの年齢で好奇心の強い若者。それぞれの性格が見事に描き分けられている。

あと、保安官を追う女。いかさま師の過去を持つけれど、今は恋する女となり改心しているという設定。ジョン・ウェインに迫るのだけど、彼はデクノボーのごとく冷たい(こういう筋書きも定番ですけど)。

各人のセリフも気が利いている。言葉のキャッチボールは日本人には向かないのかも知れませんが、最近セリフがお粗末すぎる邦画が多いことを考えると、少し見習って欲しいもの。

最後の撃ち合いでは正義の側には全然弾が当たらなくて、この辺はちょっとご都合主義的で物足りないのですが、全体として見ると、人物の描写がしっかりしていることとセリフの見事さで佳作と言える映画になっています。
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