のほほんさん

リオ・ブラボーののほほんさんのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
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かつて父が買ってきたVHSがあり高校生の頃には何度か観ていた作品。


印象的に覚えているのがディーン·マーティンとリッキー·ネルソンの甘い歌声だったり、ウォルター·ブレナンじいちゃんの頭にジョン·ウェインがチュッとするユーモラスなシーンだったりするせいか、そして昔の映画ならではの雰囲気のせいか、なんとなく牧歌的な作品という印象を持っていた。


劇場で鑑賞というありがたい機会を得て、その濃厚な人間描写に感じ入った。
ちっとも牧歌的ではない(笑)


牢にぶちこんだ悪党には金と力を持つ兄がいて、正面から力攻めこそないもののあの手この手で奪回を仕掛けてくる。
街の治安を守る保安官が、街を歩くのが危険を伴う。安全なのは悪党を収監した詰所だけ、という皮肉。
悪党どもはアラモ砦の攻防戦で延々と流れたという「皆殺しのうた」で神経をすり減らしてくる(バーの名前がアラモだったぞ)嫌がらせ。


正義なはずが孤立無援な保安官達に、市井の助けもある。恐妻家のホテルマンや、そこで暮らすようになったカード師の女性。
シリアスパートとこのホッとするパートの緩急が絶妙。


こういうところだけでも満足度高いのだが、そこに凄腕早撃ちも挟まれる。
クライマックスの総力戦も迫力とユーモアに挟まれた面白さ。戦いは人数ではなく結束。


名作とは時を超えてなぜ名作なのか。
そこに明確な答えを出してくれる作品なのではなかろうか。