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イタリア旅行のnanaのレビュー・感想・評価

イタリア旅行(1953年製作の映画)
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「現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜 Vol.2」にて、映画監督の三宅唱さん、映画編集の大川景子さんのトークショー(中継)付きで鑑賞しました。

今作について、「男と女と一台の車とカメラがあれば映画は撮れる」というゴダールの言葉が有名ですが、タイトルが『イタリア旅行』という割には、旅もの・観光ムービーというよりは夫婦ふたりの会話劇がメインとなっています。
更にこの夫婦は離婚寸前。楽しい旅行でもない雰囲気。
ふたりが訪れる場所も、ベネチアやピサの斜塔や美しい街並といった観光の定番スポットでなく、カタコンベやポンペイといった、限りなく死の臭いがする場所ばかりなのも象徴的です。
博物館のシーンは特に印象に残っています。

劇的な展開があるわけではないのに、とにかく観ていて面白い。
当時、監督のロッセリーニとイングリッド・バーグマンが夫婦だったというのも面白いです。
どういう想いで、彼はこの作品をつくっていたのでしょうか。

お二方のトークショーはとても面白くて、今作を楽しむための最高の参考書となりました。
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