東京国際映画祭にて。
1970年代独裁政権下のチリ、ある富裕層の中年女性の日常が思わぬことから変わってしまう話。
中盤まではサスペンスという感じが薄い、一人の女性の生活を描いているが、一人の男を匿うことになり静かに事が動き出す。
ピンクから赤への変化を象徴的に使い、ややチープで少々大げさにも思える音楽が徐々に不安煽る。
主人公の夫婦関係関係に当時の女性の扱い方が垣間見え、教会のありかたや信仰についても考える。
終盤はサスペンスらしくなってくるが、序盤が静かすぎた。
貧困層でもなく超富裕層や特権階級でもない中流のちょい上の一市民の日常に独裁政権の恐怖が忍び寄る…という印象。