ツネイシ

理想郷のツネイシのレビュー・感想・評価

理想郷(2022年製作の映画)
3.9


『お前の話は少しも理解できん。』


スペイン・ガリシア地方。

フランスの都会から移住してきた
知識人の夫婦と近所に棲む酪農家
の中年男兄弟の対立・衝突そして
起きる悲劇の顛末を描く。

ドゥニ・メノーシェがフランス人
の移住者アントワーヌに扮する。

両者の対立の発端は風力発電機の
設置とそれに伴う補償金。

アントワーヌは風力発電側の意図
を読み取り反対するのだがいくら
説明しても兄弟は理解しない。

アントワーヌの反対を取り下げる
ように別方面からも働きかけが。

そういった勢力の手先のようにも
見えてくる隣人兄弟。

彼らの嫌がらせが如何にもカッペ
がやりそうなしょーもない意地悪
だがアントワーヌが現代人らしい
録画とゆう手段で対抗しようとす
ると余計に刺激された兄弟の攻撃
は直接的になってゆき……。

やはりドゥニが田舎者に嫌われて
る挙動や言動をする情熱的だけど
迂闊で空気を読みきれ無いカンジ
を出してて素晴らしい。

嫌な事が起きる時の音楽やその時
遠景にチラチラ相手が映る不穏さ。

後半は登場人物が入れ替わり主役
も変わって物語も変容してゆく。

この顛末にも明解なカタルシスは
無いし、アントワーヌ側に完全に
共感して物語を追っていなかった
のでモヤモヤしたまま劇場を出て
しまいました。
ツネイシ

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