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理想郷の鹿のネタバレレビュー・内容・結末

理想郷(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

誰にとっての理想郷なのか? 
ちっさい閉鎖的な集団に違う価値観を持ち込むとどうなるか?持ち込んだ人もろとも排除されるのである。
実話を元にしたらしいが、いろんなところで、頻発しているよくあるありふれた話ではある。ありふれた話ではあるが、かなり深刻で悲劇的な結末になることが多い。
これは話の配分が面白い。普通なら、結末に持ってくる事件を中盤におこして、ラストにその犯行が発覚して犯人が逮捕されるけど、溜飲は下がらず、カタルシスも何もない。この物語のなかでは一応、「殺人」は罪で、警察もはじめこそ、ただのご近所トラブル扱いだったが、最後には職務をまともに果たしてはいる。だけど移住してきた「よそ者」を、人が生活している貧しい集落を勝手に自分の理想郷にして、自分の価値観を押し付け、何かにつけて煽ってくる態度をとらせることで、観客に同情させないのだ。作り手の意地の悪さを感じる。「どっちもどっち」見終わった感想はこれでいいのだろうか。
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