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理想郷のシネマのネタバレレビュー・内容・結末

理想郷(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2022年 スペイン/フランス合作映画

【BS番組表より】
スペインのアカデミー賞にあたる第37回ゴヤ賞で、作品賞をはじめ主要9部門を受賞。第35回東京国際映画祭でも東京グランプリほか3冠に輝き、絶賛を博した重厚な傑作。

(あらすじ)
元教師のアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)と妻のオルガは、長年の夢だったスローライフを実践すべく母国のフランスからスペイン北西部の寒村に移り住み、有機野菜を栽培して売る傍ら、古民家の修復にも励んでいた。しかし慢性的に苦しい状況を抱える村は、風力発電を誘致しようとして、それに反対するアントワーヌ夫妻は次第に孤立。その上、隣人とシャンとロレンソ兄弟は、夫妻をあからさまに敵対視して嫌がらせを、エスカレートさせていき…。

以上。

【W座からの招待状】
舞台はスペインのガリシア州の美しい小さな村。そこで実際に起こった事件を基にしている。

監督・脚本 ロドリゴ・ソロゴイエン
1981年スペイン生まれ。前作『おもかげ』(’19)がヴェネチア国際映画祭で高い評価を得る。より現実に近い演出として長回しを好む、スペインにおける著名な映画監督の一人。
現地を訪ね当事者たちの話を聞き、6年をかけて脚本を完成させた。

物語の前半は夫目線。そして後半は妻目線と主人公を変えて展開する本作。
都会からの移住者と地元住民の対立という普遍的なテーマだからこそ人間の怖さをより身近に感じるサスペンススリラー。

以上。

☟感想☟

ストーリーは田舎あるある的なので、別の点がとても気になりながら観た。

ヨーロッパって陸続きなのにいくつもの言語がキチンと遺されているのはなぜ?という疑問が解消した感じ。
アントワーヌを「フランス野郎」と呼び、過去の侵略の歴史をチクチクとイヤミを言う隣人たち。
ノルウェーのドラマでも「デンマーク野郎」というセリフがあったのを思い出す。
風力発電は「ノルウェーを儲けさせるだけ」というアントワーヌのセリフに、デンマークが一番風力発電を導入しているから気候変動対策が一番進んでいる国という風に先日発表されていたのを思い出す。
ノルウェーは作っているけど、国内には設置してない…?とか?
別のノルウェードラマでスウェーデン人の友だちの家に泊まりに行った後にずーっとスウェーデン語で話す娘に「ノルウェー語で話しなさい」と母親が注意するのだけど、娘が話しているスウェーデン語を理解した上で…というのがすごいよな…と思ったのも思い出した。
自国の言語に矜持があるからなのだろうね。日本語を大切にして(できるだけ)キチンと話そうと思った。
行った国の言葉を話すのや、その土地の基本的なルールに従うというのが敬意を表すことなのだろうしな…。
風力発電を見たら「景観が~」ってなるのかなぁ…。それともうるさい?

とか、主人公アントワーヌが何を考えているのかよくわからなかったのがもやっとした。

娘が来た時に危ない目に遭わなかったのが良かったよ…日本なら展開は違ったかも…と思った(日本は治安が良いと言われているけれど、女性や子供にとっては必ずしもそうじゃないよね…。性犯罪を外国のようにキチンとカウントしないという説もあり)。

あと、あくまで夫婦単位で親は親、子どもは子どもでお互いの生き方に口を出さない…というのが欧米モノでしばらくぶりで新鮮だった。

【W座からの招待状 エピローグ】より
アントワーヌ役のドゥニ・メノーシェ
1976年フランス生まれ。『イングロリアス・バスターズ』(’09)で国内外からの注目を集める。第76回カンヌ国際映画祭では審査員を務めるなど、今フランスでもっとも期待されている俳優。
『苦い涙』も4/26(金)より放送・配信
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