サマータイムブルース

マンティコア 怪物のサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
3.5


「マンティコア」とは・・・ペルシアの神話上の生き物で、その姿は、人間のような頭、ライオンのような胴体、サソリのような尾を持つ怪物で、人喰いである
「怪物だ〜れだ!?」

「マジカル・ガール」「シークレット・ヴォイス」のカルロス・ベルムト監督作品
「マジカル〜」に魅了されて、楽しみにしていた作品です

2022年の東京国際映画化祭で公開された時は時間が合わずに見に行けなかったので、今回満を辞して鑑賞しました
その時は単に「マンティコア」てタイトルだったのに今回は“怪物”が追加されてる?
確かにあったほうが分かりやすいけど、いらん気もする

物語は静かで、淡々としています
大した盛り上がりもないので、人によっては眠くなるかもしれません
この後何が起きるんだろ、と見ていると、結局何も起こらずに終わってしまった印象です
いやいや、実際は起こってるんですけどね
ずっと不穏な雰囲気が漂っていて、私は緊張感持って見ることが出来ました

物語はゲームデザイナーのフリアン(ナチョ・サンチェスさん→滝藤賢一さん似)と、パーティーで知り合ったディアナ(ゾーイ・ステインさん→鈴木蘭々さん似)を中心に話が進みます

フリアンが、隣の部屋の火事から少年を助けたこと
フリアンがバーでナンパした女と一夜を共にしたが、出来なかったこと
フリアンとディアナと、その友達の男と、ゲームで人やクリーチャーを殺しまくる是非について議論したこと
少年とディアナが似ていること
ディアナの父親の介護と死
全てちゃんと意味がありました

題材としては真新しいものはなく、そこかよ!!と思いましたが、やっぱ、見せ方が上手くて、飽きずに見ることが出来ました
監督さん日本贔屓で、日本の小ネタがたくさん出てくるのが楽しい
それを抜きにしても、日本人に合う、日本的な作品だと思います
地味な良作という感じでした

これからも、ずっと追っていきたい監督さんです