待望のカルロス・ベルムト監督最新作。
「マジカル・ガール」が凄く好きなので、今作の日本公開を待ち望んでいました。
ゲームのクリーチャーデザインを担当するクリエイターの男、フリアン。
家事で少年を助けたこと、ある女性との出会いをきっかけに、フリアンの隠された秘密が炙り出されていく。
恋愛、性愛、孤独などを通したひとつの人間観察から見える闇。
最初から敷かれたレールであったことに気づいた時、また最初から思い返して納得せざるを得ない。
やはりカルロス・ベルムト監督、見せる部分と見せない部分の描き分けが絶妙。
またこの作品のキーポイントもまた謎を残す部分があるのも、観る側の考える余白を残す。
内気な人間ほど強いものを持つ。
主人公のあの表情がとても強烈で恐ろしい。
そしてラストの苦い余韻もまた忘れられないものを残す。
刺激的で異色な映画体験。
怪物の意味も主人公か、またそれとも、、、
スペインの犯罪事情も絡んでいるのがまた興味深い。
そして今回もちゃんと日本をリスペクトする心意気が変わっていないのは面白い！
間違いなく好みは分かれる作品ではあるけど、個人的にかなり見入る面白さがありました。
カルロス・ベルムト監督、次回作も楽しみ。
怪物より人間を描く方がより難しい。
