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マンティコア 怪物のyuzameのレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
3.0
一見すると、とんでもなく異常な、
理解し難い主人公に思える。
でも、胸に手を当てて考えてみると
はたしてそうなのか?と。
意外と遠くない存在だと気付く。

現に、この映画に向かっている時
少しの時間差で先に会社を出た同僚に
追いつかないように歩幅を調整しながら
駅まで歩いたのは、
フリアンと同じ心理が働いたからだ。
少しの気まずさでも全力で回避。

そして、もし人に知られたら
社会的に死ぬような妄想も
無意識にやっちゃってる。
だって妄想だから。
モラルのボーダーラインは存在しない。
フリアンは
妄想を形にする技術を持ってた。
うっかり形にして見つかっちゃった。
「人は傷つける事はしてない」は
とんでもない非常識に聞こえるけど
本心だと思うし、共感できてしまう。

クライマックス、
クリスチャンを騙す
フリアンの言葉巧みさが
本当に恐ろしかった。
ああ、こうやって
子供に近づくんだなって。

商業映画だから、
眠ったクリスチャンに何かする事は
絶対に無いと思って見てたけど怖かった。

我に帰ったフリアンが
即・自分に絶望してそのまま行動したのは
無理からぬ事だと思う。

最後の鏡越しの会話や、
ディアナが
うっとりしながら介護するのとか
この監督、癖が強いなぁwって思った。
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