副題である“怪物”、昨年の是枝監督の同名作と通ずるテーマで興味深く観れた。配給側は意図して加えたと思う。
純なラブストーリーを軸に展開しながら、事が転じてからの話の振れ幅の大きさが妙。忘れきった頃に提示するタイミングと、じらし感満点の長回しの使い方が効果的。またそのものは具体的に表現されず、観客の判断に委ねるところが、「怪物」と同一。ただインプット（VRの中身）が表現されないだけでなく、アウトプット部も忌み嫌うべきものとしては表現されない（都合2回映るが限定的）。これが想像力の低い私としては、たかがそれぐらいでこの仕打ち？と感じてしまった。その後の展開の振れ幅に、納得感を抱けなかった。ヨネダ2000誠がMAX可愛くなった感じの彼女の、依存する光景の対比は悪くないが。
もの静かでストーカー気質の、日本好きオタクスペイン人という設定は面白い。パニック障害になっても一夜を求めるところは、さすがお国柄？。魔界村の着メロは最高。
