のまたろう

マンティコア 怪物ののまたろうのネタバレレビュー・内容・結末

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

カルロス・ベルムトほんっっっっと、毎回最悪の斜め上で因果を叶えてくるけど、縁切神社かなんかなの?

抑圧された欲望の話であり、最大の被害者が(毎度のごとく)子供なので、誰にも薦められないのだが、やっぱり好きだわ。
マジカルガールやシークレットボイスのようなハッとするカットと展開はなく地味な作品に感じたけれど、ボディブローのように映画館を出た後で効いてきて、帰り道で「あぁ……そうゆうことか!やば!」ってなりました。

ディアナは分かりやすく、フリアンはより秘匿された形で、父との関係が欲望の鍵になっており、冒頭で同僚が話す「ヤポネのオンセンで父の裸初めて見たわw」という日本みやげ話が振り返るととんでもない伏線になっている。
(フリアンはおそらく幼児期に父の裸を見せられそれが自分の欲望と直結しているし、ディアナはおそらく介護を通して父を裸にすることが欲望と直結している)

自分の怪物(男児性愛衝動)を殺そうと飛び降りたことで、フリアンはディアナの怪物(不具となった人への支配がトリガーの性的欲求)の対象となり、そうして晴れて自分が愛した少年に似た顔の女に愛してもらえる……。愛情と欲望が最悪の因果で代替されていく。えげつなさすぎ。

禁断の惑星、ビデオドローム、伊藤潤二も歪んだウィタセクスアリスを暗喩しているのかな?というのは思ったけど、最後のディアナが語る映画だけわかんなかった。誰かあれ教えてくれ〜。

あと、同じスペインで、アルモドバルのトークトゥーハーっぽさもあるなと思ったり。
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