むらむら

マンティコア 怪物のむらむらのレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
5.0
俺(くっそ、あの「◯ーメン」って映画、面白かったけど、モザイクだらけで最悪やったわ)

俺(気晴らしに他の観てみるか)

俺(……な、なんや、あのタイトル!!)

俺 (これは観るしかないで!)

俺、再び同じ映画館に駆け込む。

係員「いらっしゃいませ」
俺 「こ、この、マン……ティン……コ?」
係員「えっと、『マンティコア』でしょうか」
俺 「あーその、マ◯コち◯こみたいなタイトルの映画です!」
係員「ちょうど上映中ですよ」
俺 「ヒャッホー! こ、これどんな作品ですか」
係員「人間のタブーを描いた作品です」
俺 「おお、そういうの大好きです。観たいです!」
係員「いますぐ上映開始ですが……」
俺 「あ、じゃあ観ます!」

(鑑賞後)

係員「いかがでしたか」
俺 「……萎えました」
係員「ええ?」
俺 「……グチって良いですか」
係員「はい、どうぞ」
俺 「主人公が、あんな変態性癖の持ち主なんて、一言も教えてくれなかったじゃないですかー!」
係員「まぁ、ネタバレになるんで」
俺 「最初から嫌な予感がしたんですよね、主人公の、えーと、名前、フリチンでしたっけ」
係員「フリアンです」
俺 「ああ、そのフリチンだかフリテンくんって主人公。ゲームの怪物クリエイターって設定じゃないですか」
係員「はい」
俺 「なのに、怪物そっちのけで、自分の性癖のキャラのCGをせっせと作って、VRゴーグルでオナニーするんですよ。キモい!」
係員「確かに、キモいですね」
俺 「自分も宝島24や金太郎でVRゴーグル借りてAV観ることあるんで他人のこと言えませんが、VRゴーグルつけてシコってるの、めっちゃキモいです」
係員「そのとおりです」
俺 「そして、宝島24でVRゴーグルつけてる僕もキモいです」
係員「まぁまぁ、性癖は人それぞれなので」
俺 「そんな僕でも、この主人公の性癖は理解できないっす」
係員「理解できる人は、それはそれで怖いですよね」

俺 「その割に、フリチンくん、ディスコで女の子ナンパしたりするじゃないですか」
係員「結構モテますよね」
俺 「極度の変態のクセに、こんなにモテるの、おかしくないですか? ライトな変態の僕が、全くモテないの不公平ですよ」
係員「そう言われましても……」
俺 「性癖のせいで女の子の前ではインポになるし、だったら僕も混ぜてください!」
係員「そう言われましても……」
俺 「しかも、そのあと出てくるディアナちゃん。ボーイッシュで、電動コケシみたいな髪型で、めっちゃ可愛くないですか?」
係員「『電動』は余計ですよ」

俺 「しかも、ディアナちゃんが観にいってた映画、キモいアニメ映画の金字塔『ファンタスティック・プラネット』ですよね」
係員「お、良く気付かれましたね」
俺 「マンガ家の、モロ出し大次郎先生も影響を受けたという名作なので知ってます」
係員「諸星大二郎先生です」
俺 「あ、はい、そのモロボシダンみたいな名前の人です」
係員「それはセブンです」
俺 「こんなん観てるオタサーの姫みたいなキュート女子で、しかも父親の介護までしてるんですよ」
係員「天使ですよね」
俺 「フリチンくんなんか差し置いて、僕が介護してもらいたいくらいです」
係員「それは無理では……」

俺 「あんなフリチン野郎に惚れるくらいなら、ディアナちゃんは俺のアパートに来るべきです」
係員「私ならそんな冷蔵庫にモヤシしか入ってないような安アパート行かないですね」
俺 「なんで知ってるんですか」
係員「すいません」
俺 「あとディアナちゃんとチョメチョメ(死語)しようとするシーンがあるのに、画面が暗すぎてマンもティンも何も見えないんですよ!」
係員「確かに」
俺 「何なんですかこれ! お金返して!」
係員「全編に渡って、大事なところを見せないって演出手法ですから……」
俺 「限度ってものがあるでしょ。そのくせ、クライマックスはピアノの音色にあわせて、フリチン野郎のキモい性癖がフルスロットルになるし……冷や汗が出ちゃったじゃないですか」
係員「確かにドキドキしましたね」
俺 「なので、副題は『怪物』じゃなくて『変態』にしたほうがいいと思います」
係員「配給会社に伝えておきます」
俺 「ぜんぜんスッキリしなかったんで、なにか他の映画が観たいです」
係員「では、この作品はどうですか?」
俺 「どれどれ」
係員「『Oーメン』」
俺 「おー、『◯ーメン』ですか……どれどれ
   ……って、それ、さっき観ましたよっ!」

(おしまい)
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