みちゃまる

父は憶えているのみちゃまるのネタバレレビュー・内容・結末

父は憶えている(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロシアに出稼ぎに行ったきり行方不明であった父ザールクが、23年振りにキルギスへ帰って来た。しかし父は記憶と言葉を失い、家族のことすら分からない。しかし母は父の帰りを待たずに再婚しており、息子クバトは父との接し方が分からず困惑していた。果たして記憶は再び戻るのか…。

変わりゆく故郷、社会、家族。23年という期間はあまりに長い。キルギスでは外国へ出稼ぎに行き、行方不明となる人も多く問題となっているらしい。劇中でコロナのニュースが流れているので現代であることがわかるが、母親の再婚相手は一昔前の価値観のようで、当たり前のように力で抑え込もうとする。このようにキルギス国内での様々な社会問題にも触れられている。

何故父が故郷へ帰ってこれたのかは不明。しかし心の中にある思い出や懐かしい歌声は完全に失われておらず、断片的には残っていて父を故郷へと向かわせる手掛かりとなったのかもしれない。希望の持てるラストだった。
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