叡福寺清子

ストールンプリンセス キーウの王女とルスランの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.0
皆様ご存知の事と思われますが,私は「映画において一番大切なものは女優のおっぱいである」と公言して憚らないスチャラカ・レビュワーでございます.そんな私ですが,作品を評価する上で心がけている事が一つだけございます.それは「画面以外の事柄は作品の評価基準としない」でございます.例えば,ポリコレと喧しい『リトル・マーメイド』のキャスティングですが,ハリー・ベイリーがアリエルを担当することで作品が良くなればそれが正解だったと評価いたしますし,逆に『ワンダーウーマン1984』の最後の「ハッピー・ホリデー」というポリコレが作品を毀損した場合には,強く批判することにいたします.もちろん,それは私の評価基準でございまして,製作陣の政治的事情もまた作品の一部と考えてらっしゃるレビュワーさんもいらっしゃいましょう.そもそも法然和尚が「映画の観方を極める事こそ悟りの境地に至る近道」と説法されるほどに,映画評価は難しいものでございます故,そのアプローチは色々あってよろしいのではございませんか.

なぜ,こんな事をわざわざ言及したのかと申しますと,本作はどうしてもスクリーン以外の部分を作品の評価に加算せざるを得ないからです.正直申しまして,作品としてはまさに中庸,平々凡々な範疇に留まる内容でした.まさにスコア3.0(Kinenoteの場合60点).ですが,今のウクライナの置かれた状況,そしてそんな最中に本作が本邦で公開されたことは,特筆されるべき事柄でしょう.さらには,日本語吹替版の製作に奔走し,クラファンにてその資金を集めた粉川なつみさんの業績は,大いに讃えられるべきであります.少額ではございましたが出資した私も少し誇らしい気持ちでもって,スクリーンを後にすることができました.ですから,心情的には本作のスコアは花丸満点でございました.ノシ.