ボギーパパ

春に散るのボギーパパのレビュー・感想・評価

春に散る(2023年製作の映画)
3.6
劇場2023-60 熊P

何年前だか忘れたけれど、朝日新聞に連載小説として初出。毎日楽しみに読んだ原作。
後にも先にも最初から最後まで読み切った新聞連載小説は本作だけ、、、。

キャストが良い。佐藤浩市はもちろん、横浜流星、窪田正孝、そして哀川翔&片岡鶴太郎
様々な場面や作品でもボクシングに携わったことのある人達の出演は作品として頼もしい。

正直、ストーリー自体はある意味「よくある話」。世界を目指す才能が不慮の事故等で諦めるか、いや諦めない!そしてそこには強力なライバルが、、、という方向。
また、かなり原作とは異なるストーリー。確かに半年続けた連載小説を2時間枠に収めるには、これくらいの大胆な改変も必要であろう。

以下感想

佐藤浩市、片岡鶴太郎、哀川翔の爺さまっぷりがたいへんよかった。そう、歳を重ねてきた役者陣が年齢相応の役を演じ、それを観ることの幸せを感じた。彼らの顔に刻まれた皺を見ることのできる喜びは思いの外良いものです。あ、山口智子もだ(^^)
(ただ、倒れてベッドに横たわる仁さんは綺麗過ぎて少々いただけない。あの年齢の爺様の場合多少なりとも髭は伸びているはず、、、なのに)

ボクシングシーンに関しては文句なしに凄い!横浜さん、窪田さん素晴らしい!妥協のない仕上がりだと思います。特に窪田さん、『初恋』でも凄いと思いましたが、今回は更に上積んできましたね。またチャンプとしての憎たらしさは一級品でした。
横浜さんも空手経験者だけあって動きが素晴らしい。
鶴太郎さんはもちろん、佐藤さんもミットワークが素晴らしかった。
(一方、日本人同士の世界戦とはいえ、今時のホンモノ興行と比して、試合会場やリングがセコい。そして観客が日本人ばかりというのもおかしい、、、海外作品はこの辺りにしっかりお金をかけて作り込んでいるのに、、、残念でならない。瀬々監督の作品は『ラーゲリより愛を込めて』でも少々感じたところです。)

小沢さん演じる翼会長が今風だなと思った。一昔前なら、負けた選手を詰ったり、蔑んだりしたものであったが、、、流石に酷すぎるのでこのようにしたのか、、、

細かいところに言いたいことはまだまだあるが、全体としてはたいへん楽しめました。
ボクシングは映画にすると映えるねぇ(^^)

全く関係ないが、奥野瑛太さん。あなたはやはり凄い!あの役はあなたしか出来ない!
いい役回りでした。
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