原作者 沢木耕太郎のファンで、この作品も読んでいたので、映像化は嬉しい。
沢木さん自身が「主人公の名前と題名は固定で、他は自由にやってください」と伝えたそうなので、きっと大きく改変されるなと思っていたら…はい、これは完全に別物です。けれど良い意味で。
ストーリーはベタな王道。展開はぶつ切りで明らかに省略されている。私は原作の補完があるからあまり戸惑わなかったが、映画からの人は、あれ？と思う所があったのではないだろうか。
ただ、最後の試合が、全てがどうでもよくなるくらい力強くて感動的だった。
横浜流星の熱量も良かったし、対戦役の窪田正孝のゾッとする闘志みたいなものが印象深い。クロスカウンターが決まった時はガッツポーズしそうになったよ、映画館なのに。
そして、佐藤浩市はじめ小澤征悦、などなどベテラン俳優たちのおかげでベタストーリーでも感動的になっている。山口智子の中年おば様役がハマってる。役柄であえて太られたのかな？円熟味あって、すんごい美しかった。
良い映画だったんだけど、4つの必殺技はきちんと出してほしかったなー
三段ジャブ、アッパー、キドニー、クロスカウンター
翔吾が技を一つずつ習得していくのが、クエスト的で、原作の面白さの一要素だと思うから…せめてクロスカウンターだけでももっと丁寧に説明して欲しかった。
