KOZO

春に散るのKOZOのレビュー・感想・評価

春に散る(2023年製作の映画)
4.1
何度も観た予告編、佐藤浩市×横浜流星ダブル主演、クライマックスは横浜流星と窪田正孝の闘い、これは観たい!そしていつも書く「ボクシング映画は外さない」。

決して悪くはないのだけど、同じ瀬々監督の『糸』を思い出す展開の速さにちょっと置いてけぼり。佐藤浩市の心の動きはよく描かれてるけど、横浜流星の方はあまり描かれず、母親役の坂井真紀や出演してるの知らなかった橋本環奈との関係性をもう少し描いてほしかったような。
そして横浜流星の役柄は真っ直ぐで好感は持てるものの『あゝ、荒野』の菅田将暉とか『アンダードッグ』の北村匠海が演じたような“狂気”も観たかったな。あるシーンに描かれていたけど優し過ぎる。

この人も出てるのか、と驚いた脇役陣。哀川翔の演技を観たのいつ以来だろう。懐かしの「とんぼ」が最後かも?鶴ちゃんもいい味出してたなあ。
邦画のボクシング映画に欠かせないボクシング監修兼出演の松浦慎一郎、今作もいい仕事をしていた。
対戦相手の窪田正孝の飄々としつつ熱さを感じさせた存在感はさすが。そして冷静沈着だったはずなのに横浜流星に刺激を受けて熱くなる坂東龍汰も良かったな。

横浜流星と窪田正孝の闘いは期待に違わず迫力十分。佐藤浩市の役柄の生き様には涙。
そして奥野瑛太の安定のボコられっぷりに拍手。
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