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春に散るのxavierのレビュー・感想・評価

春に散る(2023年製作の映画)
3.0
二人は"一瞬"だけを生きる事を決めた…
不公平な判定で負けた後アメリカに渡り40年振りに帰国した元ボクサー広岡仁一は偶然入った飲み屋で、自分と同じ様に不公平な判定で敗北し心が折れたボクサー黒木翔吾と出会う。人生で初めてのノックダウンを仁一に奪われた事で、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと頼み込む。やがて二人は世界チャンピオンを目指し、共に夢を追いかけていく…
ストーリーはこんな感じ。
結構、男臭いストーリーだったなぁ…
共に挫折を負った2人の男。1人は夢を諦め、1人は再起を図り夢を追う。

世界チャンピオンを目指す黒木翔吾を演じるのは横浜流星。もと格闘技をやってただけあってボクサーとして戦う面構えはカッコよかった。やっぱ感も良いんだろうね、ボクシングファンの自分から観てもなかなか様になってたしね。ボクシングスタイルは前へ前へ出るタイプのボクサー。どちらかと言うと不器用だよね。結構、打たれるリスクも高いしね…

一方、不公平な判定により挫折を味わい、ボクシングから逃げた男・広岡仁一を演じるのは佐藤浩市。
ボクシングから逃げた仁一はアメリカに渡り、事業に成功したビジネスマンとして40年振りに日本に帰ってくる。
多分、ある目的を持って…
これは作品の中では描かれてないので定かではないんだけど、ボクシングへの未練があったんじゃないのかな。
じゃなかったら、昔のボクシング仲間に会いに行ったりしないし、一緒に住まないかって誘ったりしないと思うんだよね。現にお世話になったボクシングジムも訪ねた事だし、多分何らかボクシングに関係する仕事をしたかったんだと思う。そんな時に翔吾に会うんだわな。口では"教える気はない"と言いながらも、翔吾のボクシングに何か光るものを見たんだろうなぁ、翔吾にボクシングを教えトレーナーにもなるんだから…
そして2人の二人三脚が始まる…

ストーリーとしては、ボクシング映画でよくありがちなベタなストーリー。
でも、ことさらエモい展開にせず、サラッと描いているところには好感が持てる。だって"ここで泣かせますよ"的な展開って観ていて冷めるもんな。
後、頭を使ってそんな打たれないで勝つボクシングをしていたボクサーが、翔吾とのスパーリングでノックアウトされ、その後のボクシングスタイルが変わったのは、リアル感があって良かったしね…

でも窪田正孝が演じる世界チャンピオン中西の描き方はちょっと頂けないかなぁ…
多分、性格がねじ曲がってる事を描いたんだと思うけど、世界チャンピオンクラスのボクサーは、試合をやってるのにあんなスマホばっかりイジってないし、ことさらにたきつけるような事はしないから。
後、橋本環奈って必要だった?
お母さんの話といい、取ってつけたような感じしかなかったしね。
後ラストの展開も……
そこら辺以外は良かったのにね…
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