「私が命ゆだねる それは 私だけに」
その覚悟 だけ で何十年も毎日を生きていくことは、あまりにもやりきれない。
少しずつ少しずつ、毎日少しずつ死んでいくように、何十年も生きてきた彼女の、晩年の1年間。
自らハサミを持って髪の毛をバッサリ切る場面。
綿矢りささんの小説だったと思うけど、
「髪を切ってさっぱりなんて、聞こえはいいけど本当は自傷行為」
「髪に血が通っていなくて救われてる女性はたくさんいる」
というような表現を思いだした。
フランツや、周りの男性たちには「なんで反抗的な態度だ」と映ったのかもしれないけど、そうじゃないんだと思う。
「私を見つめるあなたを見ているのがすき」
人々から若く美しく見られたい、という公の部分の欲求と
私 の部分の願いがこんなにも対に、そして両立しているのかと。
エリザベートという人がよく表されている
セリフ、場面だと思った。