みりお

エリザベート 1878のみりおのネタバレレビュー・内容・結末

エリザベート 1878(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とてもとても好きな作品だった☺️✨
ジャケの雰囲気からソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』や、デレク・ジャーマンの『カラヴァッジオ』くらいぶっ飛んだ映像を予想していったのですが、映画全体の雰囲気は忠実に1800年代そのものでした✨
重苦しいオーストリアの宮廷の様子や衣装は、かなり当時に忠実だったんじゃないかな👀?

唯一攻めていたのは、シシィという人そのものの描き方。
あらゆる王室の中で最も伝統を重んじたと言われるハプスブルク家に嫁ぎ、自身の能力や性格など全く必要とされない王室の中で、徐々に心を壊していったと語られるシシィ。
唯一の味方だったフランツ・ヨーゼフにも裏切られ、愛するルドルフ皇太子を喪い、闇の中に堕ちていったシシィは、果たして本当に運命に流されていったのか、それとも自ら運命を掴み取ったのか…その点を大胆かつ繊細に描き切った名作でした。

宝塚版・東宝版の舞台『エリザベート』で、シシィが死に対して「あなたを愛するかは、私が決める」と言い放つシーンが、私は本当に好き。
逃げ道として死を選ぶのではなく、死を愛し、死と共になるために望んで旅立った強いシシィ。
だから少し歪んだ解釈をしてしまっているかもしれないし、そもそもラストの解釈は本当に人それぞれだと思うけど、私には、シシィが旅立つことで自由を手に入れたかのように見えました。
自由を得るために望んで旅立ったシシィは、きっと強く羽ばたいていったはず。
だからこそあのシーンは、あんなに美しかったんだろうな。


【ストーリー】

1877年のクリスマスイブに40歳の誕生日を迎えたエリザベート(ヴィッキー・クリープス)は、世間のイメージを維持するために奮闘を続けながらも、厳格で形式的な公務に窮屈さを感じていた。
人生に対する情熱や知識への渇望、若き日のような刺激を求める彼女は、イングランドやバイエルンを旅して旧友や元恋人を訪ねる中で、誇張されたイメージを打ち破ってプライドを取り戻すべく、ある計画を思いつく。


【キャスト・スタッフ】

*監督:マリー・クロイツァー

オーストリア出身🇦🇹
2011年『The Fatherless』で長編作品監督デビュー🌟
デビュー作ながらベルリン国際映画祭パノラマ部門などを受賞しています🏆
本作で6本目の監督作ですが、日本公開作品は初かな…?
40代の若さながら、オーストリア映画協会の監督委員も務めているそうで、今後の活躍に益々期待の監督さんです✨


*シシィ:ヴィッキー・クリープス
『オールド』でみりぺでぃあ記載済。
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