櫻子の勝手にシネマ

エリザベート 1878の櫻子の勝手にシネマのレビュー・感想・評価

エリザベート 1878(2022年製作の映画)
3.5
公開時に映画館で観た時の印象が薄かったので再度U-NEXTで観賞してみることに。
原題は『CORSAGE』フランス語でコルセットという意味。
私的には邦題の『エリザベート1878』より原題のほうがしっくりとくる。

初見の時も感じたけれど、王室にしては衣裳や家具や調度品が地味というか…安っぽい印象。
室内の壁にヒビが入っていたり壁紙が破れていたり。
あれはわざとなのか、それとも単純に予算の関係なのか。
お洒落で名高いエリザベートのドレスも野暮ったくて洗練度が低い。
唯一、精神病院へ慰問に訪れた時のオールパープルの衣裳は良かった。
扇子のレースもバッグも美しいスミレ色で統一されていた。
患者に渡した砂糖漬けのスミレが入った小箱も勿論スミレ色。
箱の蓋には小さなピンク色の薔薇が2つ付いていてとても可愛い。
あのセンスのまま他の衣裳や小物類も統一してほしかった。

史実ではエリザベートは1898年にスイスで暗殺されているのだが、この作品ではエリザベートは船から身投げし自殺したことになっている。

このラストシーンの行動によって、果たしてエリザベートは救われたのだろうか。
なんだかモヤモヤと考えさせられるラストだった。