改元をテーマに絡めた文芸作品は案外少なく、この映画以外には夏目漱石の『門』くらいでしょうか。
Wiki:『平成元年(1989年)に設定を置きかえた。昭和にはまだそのような男女の恋もあり得た、その後は平成の恋愛になったという提示である。』
'88年を舞台に据えて上手く演出しているのに、若い女性の教え子の声だけは'98年の女性の声で、時代設定から浮き出てしまいます。90年代の10年間で、なぜ日本人女性の声はあれ程変わってしまったのでしょうか。バブル時代の鈴を転がすような声はどこに行ってしまったのでしょうか。
日本史上最も美しい時代を描いた物語。
エンディングテロップの背景はストップモーションで、余計に80年代末の余韻が残ります。
音楽は久石譲です。
「心のままに生きたいんだよ。そうさせてくれないか。」