うりた

聖なる証のうりたのレビュー・感想・評価

聖なる証(2022年製作の映画)
4.2
おらこんな村いやだ…。
めちゃくちゃ好きな映画でした。こういう作品に出会えるから映画観るのってやめられない。

全体的に暗くて、一見淡々とした雰囲気映画のように見えるんだけど、意外とストーリー展開もあり、フローレンス・ピュー演じる看護師の内に秘めたるアツさがじわじわと映画を盛り上げていく。
2時間以内で観られるところもまたポイント高し(最近の映画は長くて集中力がもたない…)。

「物語が必要」というキーワード、人それぞれの物語…つまり信仰や信念があり、何を信じるかはその人次第だが、客観的に外から見たときに果たしてその信仰は正しいのか?ということを投げかけているが、
最後の新聞記事が謎めいた結論で締めたことに対する現代的な皮肉もあるのだろうかと思った。私が普段目にするニュースも実際のところ当事者たちにどんな物語があったのかはわからない。なのに勝手な妄想をあーだこーだと繰り広げて、物語を作り出す行為の愚かさ。そして物語が作り出せない謎多きものは、それをむやみやたらに有難がったり、パパラッチのような手を使ってでも物語を欲しがる。

結末は意外だった。だからこそ、この高評価でもある。
フローレンス・ピューとアナ役の女の子の演技がすごかった…。ごく僅かに震える表情筋の説得力たるや。母も母で無表情なのがまた不気味。
音楽も叫び声みたいな音が何回も入ってくるのが印象的。どっかでこういう音楽聞いたことある気がする。とにかく不穏で怖い。
ドレスの裾ってあんなきったないの履いてたんだなあ。
うりた

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