音楽が不気味…。
っていうかこれ、音楽なのかな…。
人が作っていて、すごく味があるはずの家屋なのに、どこか絵画を見ているような、とても無機質なものにも思える不思議。
大きなテーマは「宗教」や「信仰」。
どう考えたって、人間が何も食べずに4カ月も生きるなんてこと、信仰だけでどうにかなるってもんじゃない。
でも宗教の中にしか生きていないと、それを「奇跡」と捉えるほかなくなる。
でも看護師のリブ(フローレンス・ピュー)は宗教の精神論よりも、目の前の現象を科学的に解明しようとする目があった。
冒頭と最後のスタジオセットのシーンはまさにその象徴で、宗教も映画も所詮はみんなの中に作られた共有された概念の中の予定調和で成立してるもの。
それなのに、宗教を世界の全てと盲信して命まで捧げることに宗教としてどのような価値があるのかを問うている。
信仰はパワーにもなるけれど、とんでもないことを実行できちゃう恐ろしさもある強力なもの。だからこそ、なんのための宗教なのか、絶えず問い直すことがすべての信仰者には必要だと思う。
この件に秘密はめちゃくちゃ重くて切ない。
親は当然ながら、何があったか知っていたはず。それなのに子ども(ナン)で贖罪を試みたっていうのは、どうなの?と思う。
お前がやればええやんけ、と。
だから、最後のリブの決断は良かったと思う。
いずれにせよ、当然を疑うことってどんなときでも大切。
それが心の拠り所になっていれば、なおさら。