公式ホームページのあらすじ紹介に「新維新気鋭の女優」なんて誤字が平気で放置されているところからして、お里が知れている。それくらいの志と気合と実力で取り組まれた作品。
詩的・文芸的な作品っぽく格好つけているけど中身は空っぽ。
どういうリアリティの世界だと捉えたらいいのかが判然としない。小説っぽい、演劇っぽい硬いセリフ回しが多用されていると思ったら、他方では、"等身大の若者たち"って感じの自然体演技によるシーンがあったり。トーンが統一されていない。
冒頭から「なんで仕事に行ってくるって家を出たきり消えたの？」みたいな説明のためのセリフと会話にげんなりさせられたと思ったら、その後もツッコミどころしか浮かんでこない。
いくつかの愁嘆場/慟哭シーンは目も当てられない。名言風のことを言っていながら雰囲気だけで、浅薄そのもの。
終盤に主人公が発する教訓めいたセリフにしても、二人の関係性とか事の経緯とかが描けていないから、どうとも解釈しようがない。
実は彼氏が見つかってほしくないと思っているのでは？っていう示唆は良いと思ったけど、それ以上は深堀りされない。。
この手の"官能作品"みたいなのばかり撮っている監督でありながら、濡れ場もダメ。
明らかに片手が動いていない中途半端なオナニーシーン。
「後ろからして」のところは男女の動作が噛み合っておらず、何をやっているのかすらわからない。
冒頭のセックスシーンでの丸まった背中の肋骨は良かった。
以下、その他のツッコミどころの一部。
・病人演出が違くない？ 口の中で舌を転がして喋るのは、加齢にともなうものじゃないの。肌艶も悪くないし、普通に元気そうだし。。
・「昏睡状態」って言葉の意味わかってる？
・夜の病室に忍び込んでいるのに、すごい大声で会話したり爆笑したりしているのはなんなの？
・「勤めをやめる」という妙な言い回し。
・誰に聞かせるでもないのに、小説を読むときに音読。
・そもそもどうやって生計を立ててるの？ 貯金を食いつぶしているとは言うけど、一戸建ての家で。。ツイッターのフォロワー数からして彼氏も稼げてはいなさそうだし。
