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ユーモレスクのmingoのレビュー・感想・評価

ユーモレスク(2022年製作の映画)
4.3
個人的には今の日本実験映画界の濱口竜介。2作連続イメフォフェス大賞受賞。もちろん全作観てるが本作の劇映画に寄せた微かなドラマと現実の間を揺さぶる映像のアプローチに驚きを隠せなかった。たんたんと過ぎる時間、長回し、アケルマンやらミンリャンのオマージュという言葉すら申し訳ない。野原に響き渡る雷鳴なのか銃声なのか謎の音、親密さと不穏さの同居。ホームムービーの再構築なのにって失礼だけど、虚構とリアルのバランスの凄まじさ。生活の営みで紡がれる母子という家族の間にある関係性にまで疑いの目を向けつつ確かに暖かい時間が流れる。あらゆる想定や予想を語り語られ、後世に語り継がられるべき傑作。

トークメモ
2年前に太陽を長時間露光で撮影した13を発表したが本作は家族が登場して発想。ホームムービー的なことで距離感を模索しながらフィクショナルになれないか試みた。撮影期間は回想期間の0歳から5歳までのおよそ5年間。湖で水をすくうシーンをテスト的に撮影して面白いなと。取り足し取り足しで撮っていく、何年目冬秋とか表にしてタイミングで撮ってパズルみたいに構成していった。SFみたいに物語を自由につくってほしい。息子に対しては演出はつけようがない、嫁さんにはものを運ぶとかそのように振り付けたことはあった。彼女が考えて振る舞った。作品のアイデアは今ゼロ。
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