隼也

高速道路家族の隼也のレビュー・感想・評価

高速道路家族(2022年製作の映画)
3.4
【お腹が空いたら空いてないと思えばいい】

なんか良さそうな雰囲気感じるポスター。

〜簡単あらすじ〜
高速道路のSAに来る人から2万ウォンを貸してもらい(詐欺)日々を生活している家族。(敷地内でテント貼り寝泊まり)前にお金を借りた人に偶然会ってしまい警察沙汰に。父は捕まり母と姉弟の3人は通報した女性の家に泊まることとなる。そこで普通の生活を覚え幸せになっていくが、父は家族に会うために逃亡して会いに行くのだった。

まさに高速道路で生活をしている家族って観点がもうなんか韓国っぽい。ぽさは十分でてたしどんどん不穏になる夫と幸せになる妻の両方の物語が普通に面白かった!
この映画を通して幸せとは?という考えが頭から離れなかった。
貧しくても家族といれば幸せなのか。
家族がいなくても普通を過ごせれば幸せなのか。どこから見るか、視点を変えるだけで幸せの概念は全然違うんだね。
今作ではいろいろ失ってきた夫婦が、夫は失い続け、妻は途中から与えられるという対比が生まれる。対比され立場が変わることで、妻は今までいた場所が幸せではないことに気づいてしまう。中々救われない物語だったな…
作中でカイバッタ?とかお菓子とかいろんなメタファーが出てきたんだけどいまいち拾えず…悔しい

パラサイトの下位互換的な立ち回りをしてしまった映画。登場人物の気持ちはなんとなく分かるんだけど、細かい説明がない分感情移入も少ししづらかった。特に家具屋の夫婦はもう少しいろいろ深掘りして欲しかった。少し足りない。
終盤までとても良かったが最後の展開が少しサイコ感強めで若干ずれてしまったかな?

微笑ましい光景の中にも、じわじわと怖さはありつつ結構面白い作品だった。
隼也

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