イベリー子豚

高速道路家族のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

高速道路家族(2022年製作の映画)
3.8
「『万引き家族』のフォーマットを」
「『はじまりへの旅』『ガラスの城の約束』をギャグ要素強めで」
「『パラサイト』なカタルシスを追及した結果」
「【手作りチャパグリ】じゃなくて」
「【カップ麺】になってしまった」
「【是枝&ポンちゃん】のファンムービー」
「【無能警察】ふたたび」
「【ウニ】ちゃんの名前を知りたい」
「《名前と住所、ここに書いて》」
「《学校に行きたい……》」
「《お父さんはいつ帰って来るの?》」
「《……俺の家族を……返せ!!!!》」
「エンディングもなんだかなぁ……でも一応、
ハッピーエンドでございます」




予告といい、ポスターといい
完全に意識しまくってますね。


で、二人の監督との違いを出したいがために
ドタバタコメディを多めにトッピングしちゃったワケだ??


……良くないよねぇ。

中途半端なギャグ要素が
足を完全に引っ張ってます。

ムーミン谷の夜みたいな花火も
留置場での攻防も
「イイ緩&急」じゃなくて「ただのミスマッチ」。


こんなところで個性を出すぐらいなら
もっと主人公(父親?)の内面や過去、家族への思いに
フォーカス強めた方が物語の厚みが
増しますですやん。

と言うか
全然、父親の人間像がしっかりしてないです。

行き当たりばったりの
正規ルートで破滅していくだけ。

「美学」がありません。

これでは
序盤のスーパーアウトドア生活の楽しさや
クライマックスに向けてのカタルシスも
二次創作止まり。



これなら
より「振り回される不幸な子どもたち」の
主観目線で構成した方がスッキリしてますね。


あと「グルメ」もよろしくありません。
全然、旨そげじゃない。
むしろ、食欲無くしそう……。

こういう貧困・ノワールものこそ
シズル感ホカホカ感、ブツ撮りは最重要事項ですやん。

わかっちゃないぜ。食事に神は宿るのさ。


……と言うことで
本作をかつての大傑作と並べて語るのは
お門違いの筋違い。

「【ウニ】ちゃんの可愛いさ」だけで
128分間の元はとれるけど
深い鑑賞体験は得られないぜチクショウって
感じでした。