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高速道路家族のmakoのレビュー・感想・評価

高速道路家族(2022年製作の映画)
3.9
《幸せにしたい。ただそれだけだった》
◎78点

監督・脚本: イ・サンムン。

韓国版『万引き家族』のよう。
ただし、家族は血の繋がりがある本物の家族。

父親のギウ(チョン・イル)は、高速道路のサービスエリアを転々としながら、再び遭遇することのない訪問者に2万ウォン(日本円で約2,000円)を寸借詐欺しながら家族3人と食いつないでいる。

夫に従う妻ジスク(キム・スルギ)も、こんな生活を子どもにさせて酷いなと思っていたけど、そうでもなくて。なんなら、この生活から抜け出したいと思っている事が段々と分かってきた。
そこにはいつまでも子どもをこんな環境に置いておいてはいけないという母親の気持ちがあったし、自身の身にもある事情があったから。

そんなある日、以前別のサービスエリアでギウン親子にお金を貸した、家具屋を経営するヨンソン(ラ・ミラン)が再びギウン達と遭遇した。
そこから2つの家族は転換期を迎える。

ギウは父親&夫、失格。
幸せにしたいという思いはあるようだけど明らかに間違っている。
妻ジスクも、ギウの苦しさが分かっているから従っているのは分かるけど、子ども達にこんなことをさせちゃいけない。
悲しくても別れないといけないのよ、という台詞があったけどその通りだと思った。
しかも子ども達がいるなら尚更だと思う。
ジスクもこんな生活が長くは続かないと思ってはいたようだけど。
ヨンソンに出会って本当に良かったと思いました。
得体のしれない家族を受け入れた(ジスクと子ども2人)ヨンソン。夫に反対されながらも貫いていてすごいなと思った。
ヨンソンが家具店を経営しているから夫より立場が上な感じだし、ヨンソン夫妻の過去も影響していて、ジスク達を放っておけなかったんだろうな。

終盤の展開は、嫌な終わり方にならないでー!と半ば祈りながら観てた。個人的には悲しくもあったけど、これで良かった気持ちの方が大きかった。

『パラサイト 半地下の家族』に似てそうだったけど、それより観やすかったし、救いがあって良かった。でも少し物足りなさも感じました。


子ども役、2人共可愛かった💓
弟テクはやんちゃだったけど。
ギウ役のチョン・イルが絶妙にウザくて(褒めてます)、よかった笑
ヨンソン役のラ・ミランの安定した演技も良かったです。

入場者特典でカードを貰いました♪見たい方はこちら👇をどうぞ
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字幕翻訳: 具美佳
観客 25人ほど
劇場鑑賞 #51
2023 #55
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