製作総指揮は樋口真嗣氏、監督は田口清隆氏、そしてナレーションにはグレンラガンでロージェノム役の声優をしていた池田成志を起用。
錚々たるメンバーが集まって撮影されたのは、巨大怪獣と巨大ロボが蒼き地球を舞台に大バトルを繰り広げる大怪獣特撮映画、ではなく、ドリルジャンボの紹介映像です。
ちなみにドリルジャンボとは、トンネル工事をするときに岩盤を掘削する機械で、古河ロックドリル社が国内シェア8割を誇っています。
ドキュメンタリーなのでストーリーもないです。

ただ、本作はただの関係者向けのマニアックな紹介ビデオではなく、その巨大な機械の動く様子や大量のケーブルが働いている様を追うカメラ越しに、ある種の情熱というか、滾りが伝わってくる内容になっています。
振り上げられた巨大アームは、巨大ロボのそれを彷彿とさせます。
特撮ではない実写の、実在して、山奥の地下の巨大トンネルの中で岩盤を破壊して進むそれは、巨大ロボ、巨大怪獣好きの諸氏に刺さるものと思います。

70分程度の作品で、ドリルジェットの歴史から始まり、古河ロックドリル社のジェットドリルJTH3RS-190EXを中心として仕組み、パーツの紹介、開発者たちの思いをドラマチックに演出、映像化したドキュメンタリードラマとなっています。
躍動する油圧ポンプ、たくさん並んだレバーに興奮できる方向けの映像作品ですね。

なお、音声切り替えで、田口監督らのオーディオコメンタリーになります。
ドリルジェットのマニアックなポイントや撮影秘話が語られるので、こちらもおすすめです。