もともと自分の中で優先順位は低かったんだがDOMMUNEで取り上げられたのを聴いて俄然興味が湧いたので鑑賞。ただ、そこで軽いネタバレも食らってしまったのは痛し痒し。
概要としては宮廷陰謀劇に巻き込まれてしまった一般人というよくある話ではあるがそこに「盲目の鍼医者」という属性、更に色々趣向を凝らした見せ方をしている。
「眼が見えない」設定の場合ざっくり言うと「座頭市やデアデビルのような超人」か「普通の人だけど視覚に頼らない生活に慣れている=暗闇では有利」に大別される(アルジェントの「ダークグラス」みたいな例外もあるが)んだが、本作の主人公は既存の作品とは異なる新機軸を盛り込んで、サスペンスを盛り上げる要素として活用しているのがなかなか楽しいところ。まあその時々の都合で若干適当だったりするのが気にはなったが。
それにせっかく主人公が藤枝梅安も真っ青な超絶天才鍼医者という設定にしたんだからあと2、3それを生かした見せ場(怪我の痛みで動けないのを自分に鍼打ってなんとかするとか)を作って欲しかった。
とはいえ二転三転する展開にはこちらもうまく転がされたし、韓国映画にありがちな「後半盛り盛りすぎて逆にダレる」現象に陥る事なく2時間以内にまとめてくれたのは好ましいし、なんとも形容し難い気分にさせるラストの味わいもまた良きかな、という一本。
