せっ

梟ーフクロウーのせっのネタバレレビュー・内容・結末

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


盲目の鍼師の男がある日その才覚を評価され、宮廷に仕えることになったが、ある事件の"目撃者"となり追われながらも真実を暴こうとする話。

主人公は完全に盲目なのではなく、暗い場所では少し見えるという症状。本人は見えないふりして上手く生きていけていると言っていたけど、裏を返せば普通の人が隠している裏の嫌な面ばっかり見えちゃって、普通の盲目より辛そうだなと。

おもらし隠してたり使用人がイチャイチャしてるぐらいの可愛いことなら上手く利用出来るかもしれないけど、宮廷というのは想定よりも闇が深く深く深い場所。自分は見えていると思っていたことを上回る闇が待ち受けている。というか主人公にも見えていない本当の闇が明かされる時画面は1番明るい。

明るければ明るいほど見えていない闇が怖い。明るい場所では盲目になる主人公の恐怖とリンクしてるんだろうなぁと思った。

だから王って主人公と割と似てるんかなと思った。自分が宮廷内の頂点にたち続けて、ずっとその闇に浸かっていたからどんな事でも裏を見ようとしかしてない。最後まで主人公に誰の差し金だと聞き続ける盲目さ。見えない方が幸せか見えてる方が安心か、最初と最後に提示される歴史上の事実が私たちに語りかけているように感じた。

世子様が血を流すシーン、最初から死ぬってわかってるし死因も知ってるのに、衝撃を感じさせる見せ方良かった〜
せっ

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